2010年4月12日月曜日

サクラ? いえ


夏井川渓谷(いわき市小川町)のアカヤシオ(通称・岩ツツジ)が一気に開花した。きのう(4月11日)早朝、無量庵へ着くと、対岸がピンクの花で点描されていた。満開の始まり、といったところだろうか。

一週間前には数カ所にピンク色の花が見えるだけだった。対岸へ渡り、花の下に入ると、おおかたのつぼみが赤く膨らんでいた。私が夏井川渓谷へ出かけるのは週末、一週間後には一気に咲くだろう、と想像した通りになった。実際は日ごとに花の数を増やしたのだろうが。

わが無量庵の隣の私有地が行楽客に開放されている。古い家があり、杉林があった。それを解体・伐採し、春はアカヤシオ、秋は紅葉の展望台とした。渓谷沿いの県道をやって来たマイカー族は、ここで豁然と風景が開けるのに驚く。しかも、春は全山ピンクの点描画になる。ますます車を止めて風景に見入りたくなる=写真

土地の持ち主は春と秋、常置のハウスで物品を販売する。行楽客の反応が面白い。いや、それが現実かとも思う。アカヤシオの花を見て「サクラですか」と尋ねるのだという。サクラでも渓谷にあるのはヤマザクラだ。それさえもソメイヨシノと混同しているのかもしれないのだが。

こちらは毎年見ているから間違うことはない。そう思っているが、アカヤシオを全く知らない人、アカヤシオの名前は聞いても見たことのない人が多いのだろう。20代のころの私がそうだった。アカヤシオも、ヤマザクラも区別がつかなかった。

よほど意識しないと、記憶としても、知識としても定着しない。リピーターとして通っているうちに、そして15年前から週末を過ごすようになって、やっとアカヤシオが、秋の紅葉が体の中に入ってきた。自分の常識が人の常識ではないのをあらためて知るのだった。

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