2010年4月21日水曜日

ノルウェー産サケ


スーパーへ行くとノルウェー産の塩サケを売っている。すし屋ではノルウェー産の生サケが人気だという。

物の本によると、ノルウェーでは早くから天然サケの人工採卵・種苗放流を重ねて再生産技術を確立し、それが1970年代初めに海面に応用された。要は「いけす」(フィヨルド=写真)で養殖することが可能になったのだ。

15年ほど前の統計では、ノルウェーの漁船漁業の漁獲金額は約1,570億円。養殖生産額はこれに接近し、1999年にはついに漁業生産額を上回った。どちらにしてもノルウェーでは、水産業は重要な外貨獲得産業だ。

サケ養殖にはライセンスがいる、政府機関が検査体制を整えている、給餌もコンピュータで自動化されている、……。品質管理が徹底していると、水産業の専門書にある。

そのサケはどこへ行くのか。ノルウェーではサバ・サケ・カラフトシシャモなどを輸出している。単一国としては日本が最大のお客さんだという。

アイスランドの火山が爆発し、火山灰の影響で飛行機が飛べなくなった。とたんに、人と物の移動が滞った。日本では、その一つがノルウェー産生サケ(すしネタ)だという。そのニュースにあぜんとした。塩サケはスーパーへ行くから分かっていた。生サケはすし屋へ行かないから分からなかった。

地球の北から、南から、西から、東から、日本は食料をかき集める。「四里四方」の食文化からとうに離れて、「万里万方」になった。これではいつか外から、自然からしっぺ返しがこないともかぎらない――ノルウェー産生サケの話に少し気持ちが波立った。

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