2010年4月27日火曜日

風力発電


日曜日(4月25日)の夕方、磐越道を利用して郡山からいわきへ戻った。いわき地域学會の春の巡検の帰りだ。田村郡小野町あたりで山の稜線を見たら、風車が林立している。バスの中からアップしてカメラに収めた=写真。でかい。それが第一印象だ。

いつの間にか、わがふるさとの阿武隈高地は風力発電の基地になってしまった。1カ所や2カ所ではないらしい。なぜ阿武隈は、いや福島県は電力供給基地であり続けなければならないのか。水力、火力、原子力。そして、風力。

風力発電はクリーンエネルギーという触れ込みながら、低周波音による健康被害が取り沙汰されている。両刃(もろは)の剣だ。鳥の目になりがちな営業と虫の目で営まれる生活は、ややもするとぶつかり合う。それを調整するのが政治の力のはずだが、最近はどうもおぼつかない。いや、いつものパターンに陥ったというべきか。

戦後、大滝根山の頂上に進駐軍のレーダー基地ができた。やがて、自衛隊に施設が移管された。稜線に突起物がある――物心づくころからそれを見てきた者は当たり前に思っていたが、古老はそうではなかった。まっさらな大滝根山でなくなった、景観を汚された、と腹立たしい思いでいたのだ。

それと同じことが、この巨大風車にも言えるだろう。風車の近くにすむ人間がいる。そのことを思えば、突如、稜線に出現し、くるりくるりと回る巨大風車群を新しい風景として見ることはできない。これ以上稜線を犯さないでくれ、と言いたくなる。

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