2010年5月12日水曜日

ホットライン


知人の娘さんが野鳥に興味を持っている。自宅はいわきの「平城跡」に連なる丘陵(住宅地)の北西、坂の途中にある。「寺町」の近くといっていい。周囲の緑は濃い。

何年か前、自宅近くでやたらとさえずり続ける鳥について質問を受けた。「かごぬけ鳥のガビチョウではないか」。そう答えた記憶がある。今やいわきのあちこちでガビチョウのさえずりが聞かれる。

彼女は母親と一緒に、アリオス(いわき芸術文化交流館)の近くで花屋を始めた。先日、背中が青くて腹が赤い鳥について質問を受けた。「アリオスの近くにいた? イソヒヨドリじゃないかな」。イソヒヨドリ=写真=は海岸にすむ鳥とされているが、最近は内陸部の河川敷や街中でも見られる。

現に、私も平市街の本町通り(東部)でイソヒヨドリを目撃した。朝晩、散歩をしている夏井川沿いの工場付近でも見かける。先週は雌と思われる暗黒褐色の個体が工場の屋根に消えるのを見た。工場を海岸の崖とみなして屋根のすき間にでも営巣しているのだろうか。

後日、店を訪ねたら、「この前の鳥はやっぱりイソヒヨドリでした。インターネットで確かめました」という。母親が割って入り、「これからはすぐ電話すればいい」。娘さんが私のケータイに自分の名前と電話番号を打ち込んでくれた。私の電話番号も彼女のケータイに登録された。

野鳥専用のホットラインである。「オレからはかけないからね」と、カミサンにも母親にも聞こえる声で告げる。

きのう(5月11日)の夕方、朝と逆のコースで散歩をしていると、イソヒヨドリがふわりと飛んで来て工場の屋根に止まった。雌だ。尾を振っている。モズの尾の振り方とは違う。彼女ならこんなときにホットラインを鳴らすのだなと思った。

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