2010年5月30日日曜日

石垣


カミサンの幼なじみの家に行った。いわき市平の中心部、いわき駅の西方、崖の上に平一小がある。東に庭があり、2階から平の中心市街地が一望できる。庭にイトヒバがある。樹齢240年だという。江戸時代には家老の茶室があった、ともいう。

平一小校舎改築工事に先立ち、いわき市教委が発掘調査をした。ざっと5年前のことだ。その結果が『平城跡――中・近世城館跡の調査』として報告されている。

報告書にある「磐城平城郭内外図」(寛政元=1789=年)は南方からの俯瞰図、それよりさらに140年余前の正保城絵図「磐城平城」=いわき地域学會機関誌「潮流」第11報(昭和61年)掲載=は平面図だ。それらによれば、カミサンの友達の家はかつての磐城平城内の一角(侍屋敷)にある。道の北側は濠、今の国道399号だろう。

240年のイトヒバがある、家老の茶室があった――。となれば、想像力は江戸時代へと一気にはばたく。坂の途中だから、敷地の二方は石垣=写真=で土留めがなされている。この石垣、もしかしたら江戸時代のものではないか。そうだとしたら、文化財にならないか。そう考えるのだがどうだろう。

この何十年という間、わきの坂道を数え切れないほど行き来してきた。通り過ぎるだけだった。たまたま途中の家に上がったら、磐城平城の内部という視点が加わった。石垣がその当時のものだとしたら、楽しい。

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