2010年6月4日金曜日

ぶっかけご飯


おとといの「山荘ガーデン」の続き。いわき市立草野心平記念文学館への道を手前で折れ、文学館ののり面を巻くようにしてくねくね駆け上がること数分、目指す山荘に着いた。沢の斜面を利用したロックガーデンだ。ガーデンには小道に沿って番号と植物名を書いた札があり、花の名を確かめながら前へ進むことができる。

自分の山からしみ出す水が豊富にある。果樹を植え、野菜を栽培し、山菜を増やした。チャボとウコッケイを放し飼いにしている。みそを、漬物を、干し柿を、シイタケをつくる。無農薬の食材で自給自足をする――というのが生活の基本のようだ。

ガーデンを見終わると、昼食をどうぞ、となった。ちょうど昼どき、気にしながらの訪問だったが、やはり気を使わせてしまった。チャボとウコッケイの卵かけご飯に、タケノコの煮物、ワカメとタケノコのみそ汁、大根の漬物が出た。みそはもちろん自家製だ。ぶっかけご飯が甘くておいしかった。みそ汁はさっぱりしていて、やはり甘かった。

その前にイチゴと、信濃柿の干し柿、スライスされた冷たい干し柿が出た=写真。信濃柿は、ブドウでいえば黒色小粒の「スチューベン」と同じくらいの大きさ。豆柿よりさらに小さい。網に入れて干したという。スライスされた干し柿はひんやりして控え目な甘さが口に広がる。これも自家製だ。

奥さんは朝起きると、まず園内を散歩する。そうして、その日の食材を調達する。ご主人は夜寝る前、翌日の庭仕事の段取りを頭に入れる。庭仕事は尽きることがない。山中の自然と一体となった暮らしだからこそ、それを維持するための仕事がたくさんある。ここでは、自然は活用されながら守られ、増殖されているのだ。

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