2010年7月12日月曜日

当日投票


「期日前投票」がある。その前には「不在者投票」があった。15年前から週末に夏井川渓谷の無量庵で過ごすようになった。以来、それを理由に、あらかじめ投票を済ませ、選挙当日の夜は出社して開票報道に備えた。

リタイアした今も選挙が始まったら、期日前に一票を投じる。選挙当日は無量庵で畑仕事をし、夜は自宅でテレビを見ながらチビリチビリやる――そんなふうに変わった。

が、今度の参院選はどうか。なぜか「期日前投票」に行く気にはなれなかった。久しぶりに「当日投票」になった。昔は「投票一番乗り」を試みたこともあったが、地区のお年寄りにはかなわなかった。朝一番の時間帯は結構にぎわうのだ。

投票はいつも近くの小学校の体育館で行われる。体育館は今年、工事に入った。投票日だけ体育館が開放されるのかな――。投票開始の時間に合わせて、夏井川渓谷へ出かけがてら、学校へまっすぐ伸びる道路を車で向かった。

するとすぐ、〈そんなことするはずがない〉と分かった。校庭に車が止まっていないのだ。代わりに、手前の公民館の駐車場がときならぬにぎわいだ。公民館が投票所になったのだ。「期日前投票」に慣れてしまったばかりに、投票所が代わったことなど、頭に入っていない。

いや、「当日投票」を続けていると思われる人でも、学校へと足を運ぶ。学校の方から戻って来る車もある。公民館の玄関には確かに投票所の看板が立っていた。人と車が行き来する道路沿いにも案内板を立てておけばよかったのに――。一瞬、思い悩んだ人間はそう感じた。

投票を終えて、夏井川渓谷へ――。公民館から車で道路に出ると、前方に学校へ向かう人がいた。車を減速し、カミサンが声をかける。「あら、そうだったの」。苦笑いしながら女性は公民館へと道を戻った。

夏井川渓谷への道すがら、学校へ、地区公民館へ足を運ぶ人の姿が見られた。夏井川渓谷でも新しい集会所が投票所になっていた=写真。1票1票の思いが伝わる道行きだった。

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