2010年7月21日水曜日

オンザロック


今年1月中旬、夏井川渓谷の「木守の滝」にできた氷をかち割って、無量庵の冷蔵庫に収納した。むろん、冷凍室に。6月末の「氷室開き」に合わせて焼酎のオンザロックを楽しむ――というのが魂胆だ。

いつもそんなことができるとは限らない。あとで氷を採りましょう――とほっといたら、もう氷が消えている。厳寒期でもタイミングがずれると、滝の天然氷を採取できないのだ。今年はそうならないように、氷塊ができ始めたらかち割り、かけらを集めて冷凍庫にぶち込んだ。量としてはサッカーボール大だろう。

で、半年近くが過ぎた。無量庵でアルコールをやるのは、土曜日に泊まるときだけ。このところ、無量庵に泊まる機会が減った。となれば、天然氷は眠っているしかない。〈ウチでやろう〉。天然氷をわが家に持ち帰った。

ちょうどその日、東北地方が梅雨明けをした。いいぞ、いいぞ。汗だくになって、夕方を迎え、グラスに天然氷を入れて「田苑」を注いで飲んだ=写真。わが家の「氷室開き」だ。以来、きのう(7月20日)まで、少しずつ天然氷を入れて晩酌をしている。

「だれかが来たときに氷を出すのではなかったの?」とそばでいう人間がいる。が、この暑さだ、いつ来るか分からない人間を待ってはいられない。といっても、毎晩やっていると、氷がなくなる。最初は天然氷のオンザロック、次からはサイコロのような製氷で我慢する。それも間に合わななければ水で――。

エアコンのないわが家で、気分だけは二倍も三倍も涼しくしてくれる天然氷ではある。

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