2010年7月29日木曜日

昼寝


在宅ワークは汗まみれ。茶の間が庭に南面し、パソコンに向かって仕事をしていると、庭の照り返しを背中に受ける。西側は押し入れと床の間。風の通り道はない。北側は壁。東側は台所。それで、窓や戸を全開していても茶の間の熱の逃げ場がない。前も熱、後ろも熱。扇風機の効用も限定的、部分的だ。

さっぱり茶の間で昼寝ができなくなった。そのことは前に書いた。茶の間の北隣は西に窓のある寝室。午前中はまだ暑さとは無縁だ。午後になると、徐々に日が差し込む。

きのう(7月 28日)、ベッドで昼寝をした。時折、涼風が入り込む。汗ばみながらも周期的に体をなでる涼風に、梅雨明け以後、初めて“シエスタ”ができた。

昼寝をしてとろけそうになった意識の底から、誰かが「涼風」の定義を言っていたな、誰だったっけかな――。午睡から覚めて、久しぶりにすっきりした頭が探索を始めた。

「涼しさは瞬間の感覚である。持続すれば寒さに変ってしまう」。うつらうつらしながら、その通りだと思っていた。前日、ベッドの本棚から引っ張り出してきて読んだ本がある。中公文庫の根本順吉『江戸晴雨攷』だ。それだった。ついでに、『風の事典』や『宮沢賢治語彙辞典』をパラパラやった。抽象的でもいいから「風」に触れたかったのだろう。

涼風が途切れる。と、熱がすぐ体を包む。しばらくして涼風がそれをほぐす。ほてった体が一瞬、冷やされる。いい気持ちになる。寝室の入り口にあるカーテンが時折、たなびく=写真

猫はその風の通り道、風呂場の手前の床に寝転がっていた。そこが、わが家では一番涼しい場所なのかもしれない。まさか、狭い廊下にマットを敷いて昼寝をするわけにもいかないが。

猫はどこで暑い昼を過ごすのか。ヒトが熱中症にならないためにも、一つの参考にはなる。この数日、宵は縁側で夕涼みをし、夜更けになると室内に戻ってきた。きのうはしのぎやすかったのか、縁側に出ることはなかった。

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