2010年8月15日日曜日

ミョウガの子


8月の中旬になると、庭に群生するミョウガの根元を見る。ミョウガの子=写真=が出ている。花まで咲いている。摘んで薬味にする。いつのまにかわが家では、ミョウガの子は月遅れ盆を告げる食材になった。いわきは平の、わが家だけの話かもしれないが。

きのう(8月14日)は新盆回り二日目。朝から「ミニ県」並みのいわき市を車で移動した。南から回った。北から回り始めたという人間とも、そこで会った。葬儀のときと違って、新盆は自宅で迎える。あらかじめ地図で確かめたうえでの道行きだ。近くまでは行ったが、どこか分からずにうろうろすることもある。

きのう回った新盆の家は、つまり仏さまは、私より少し上か下の年齢だ。還暦を過ぎたということは、彼岸が見える岸辺にいるということだろう。

冷えたお茶をいただきながら、故人の思い出話から雑談に移る。東京あたりでは、いわきのような新盆回りの風習はない、東京に住む故人の身内がびっくりしたという――風習の違いに優劣はない。が、早い人は10日あたりから回り始めるというから、いわきの風習そのものも変質しつつあるようだ。

ある家では、首都圏から息子夫婦が孫を、つまり家の主人にとっては曽孫(ヒコ)を連れて帰省した。「孫を海に連れて行った」のが帰って来た。見れば、東京区内のナンバーだ。高速道路土日1,000円でやって来たか。

二日がかりでヤマ・マチ・ウミのいわきを巡った。カミサンも実家にとどまり、毎年訪ねてくる客の応対をした。夜は買い物をして料理を省略した。せめて、というわけか。「冷ややっこにするからミョウガの子を採って来て」。ミョウガの子はやはりお盆には欠かせない食材だ。

きょうは日曜日、そして終戦記念日。本でも読んで心静かに過ごそうと思う。

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