2010年8月21日土曜日

リュウゼツランの花


リュウゼツラン(竜舌蘭)の花が咲いた、という新聞記事が目に留まった。わが家からは夏井川をはさんだ対岸の地区(平藤間)だ。カミサンに引っ張られて見に行った。昔からの田園地帯である。道路沿いにはそれらしい家が見当たらない。近くの直売所の青年に聞いて、ようやくたどり着いた。

広い屋敷の一角にビニールハウスと駐車場を備えた真新しい店がある。「マグノリア」という。園芸の店だが、ガラス細工の工房も兼ねる。

用向きを告げると、店主の女性が奥の母屋の庭に案内してくれた。

30年前、庭にお父上がリュウゼツランを植えた。その葉が大きくなった。そして今年夏、気づいたら大人の腕くらいの太さの花茎が2メートルほどに伸びていた。その後もぐんぐん茎を伸ばし、5メートルにもなって黄色い花が咲き出した=写真。遠目には松の枝葉といった感じ。葉にあたるところが花だ。三方から花茎にパイプを添えて支柱としている。

リュウゼツランはメキシコを中心にした熱帯の植物だ。向こうで暮らした経験を持ついわきの画家・峰丘の絵には、しばしばこれが登場する。テキーラの原料になるといったことも、峰から聞いた。

一生に一度しか花をつけない。熱帯ではそれが10~20年、日本では30~50年に一回咲いて代替わり、ということになるのだそうだ。早くも葉の一部が枯れ始めていた。

花をつけるまでは何年も、何年も葉を肥大させるだけ。わが散歩コースにも、民家の庭先に大きな葉をつけたリュウゼツランがある。今年の猛暑続きで花を咲かせるようなことがあったかなかったか、今度確かめてみよう。

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