2010年9月9日木曜日

観光基礎講座、再び


きのう(9月8日)、今年度2回目の「観光基礎講座」が始まった。いわき地域学會の先輩、高橋紀信さんは「いわきの自然」を、山名隆弘さんは「いわきの歴史」を、私は「いわきの概要」を担当した。一週間後の15日には後半の講座が開かれる。終了後にはいつものように簡単なテストが行われる。

台風9号の影響で、ほぼ1カ月ぶりに雨が降った。干天の慈雨とはこのことだ。で、講座では今夏の異常気象を踏まえた、地球温暖化の話も出た。

前にも紹介したが、チョウのアオスジアゲハ=写真=はいわきあたりが北限とされていた。福島県の中通り出身である高橋さんも、私も、いわきに来て初めてアオスジアゲハに遭遇した。それが温暖化の影響で相馬あたりでも見られるようになった。猛暑の今年はその先まで行ったのではないか、と高橋さんはいう。

いわきの山あい、三和町。8月、義叔父の新盆でいとこの夫君から聞いた、三和の自然に関するあれこれを思い出した。彼は研究者でもなんでもない。が、自分が住む地域の自然には殊のほか詳しい。キノコや山菜や木の実を採り、鳥や獣や昆虫や魚を追った経験が、狭いけれども土地に根ざした知となってこちらに入ってくる。

今まで見られなかったナラタケが発生するようになった。今まで見られたサクラシメジが姿を消した。理由はもちろん分からない。が、地球温暖化と関係していないか、というのが彼の言い分だった。これなどは傾聴に値する指摘だろう。

そうしたピンポイントでの変化を丹念にすくいあげることでしか、地球温暖化の病状は見えてこないのではないか――高橋さんの話を聞きながら、そんなことを思った。

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