2010年10月3日日曜日

キノコ岩


台湾・基隆の北方に「野柳地質公園」がある。海に突き出た人さし指のような岬だ。パンフレットによれば、1,000万年におよぶ地殻変動、海食、風食などの影響を受けてできたキノコ岩=写真=が林立している。網目状の傘の形状からすれば、食菌のアミガサタケが一番近い。要は奇岩怪石の野外展示場だ。

キノコのほかにショウガ、壺、豆腐に似た形状の岩がある。極めつけは女性の横顔にみえる「女王頭」だろう。

野外展示場だから、いつも同じというわけにはいかない。台風で壊れるキノコ岩がある。その残骸が横たわっていた。もろい一面もあるのだ。だから、観光客がキノコ岩にさわらないよう、監視員が目を光らせている。危険防止のためにその先へは行かないよう、ラインも引かれている。

しょっちゅう、監視員が笛を鳴らしていた。女性がキノコ岩にさわりポーズをとる、その写真を撮るために男性が岩に上がる、ラインを越える。台湾に最も近い国の観光客と思われる集団が、大きな声でしゃべりながらわがもの顔にふるまっていた。

大声のやりとりは免税店でも変わらなかった。われわれ一行にはどの店でも「いらっしゃいませ」だったが、彼らには違う言葉で接していた。店員には顔の表情、しぐさ、その他、全体的な印象で日本人かいなかが分かるのだという。

さて、ほんとうのキノコだ。きょう(10月3日)はいわきキノコ同好会の観察会が行われる。これから出かける。天気は下り坂で午後から雨になりそうだというが、今朝はまだ青空がのぞいている。山を歩いているうちは大丈夫だろう。

「採集会」ではない。食毒に関係なくどんなキノコが生えているか、リストをつくるのが目的。それを長年積み重ねることで「いわきの菌類」の姿が見えてくる。

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