2010年10月19日火曜日

マガモ飛来


いわきでも、野鳥の世界は「留鳥」をのぞいて「夏鳥」から「冬鳥」に交代しつつあるらしい。

日曜日(10月17日)早朝、わが家から夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。ハクチョウが飛来する小川町・三島の夏井川のそばを通りかかったら、水鳥が数羽浮かんでいた。マガモだ。車を止めて写真を撮ろうとした瞬間に飛び立った=写真。マスコミの感覚でいえば、これはニュースだ。

夏井川流域で目撃した、今シーズン最初の「冬鳥」である。青首に白い輪のある雄を中心としたファミリーだろうか。

新聞・テレビは季節の変化を告げる鳥として、春は「夏鳥」のツバメを、秋は「冬鳥」のハクチョウを取り上げる。定番だ。

それを否定はしない。が、そうなったのはおそらく、写真に撮りやすいからだ。ツバメは人を恐れない。ハクチョウは体が大きい。それが、いつのまにかワンパターンの“季節もの”として定着した。

それですませてはいけないのだ。「夏鳥」はツバメのほかにいっぱいいる。「冬鳥」もハクチョウのほかにいっぱいいる。

記者に「いきもの」への幅広い知識があれば、新聞紙面は、少しは変わってくる。それは、記者が暮らす地域の自然を、それを利用する人間との関係から見つめなおし、考えなおすことでもある。人間だけを相手にして事足れり、としていてはいけないのだ――などと、つい偉そうな物言いになってしまう。

さて、水辺にはマガモがやって来た。山里でも間もなく「冬鳥」のジョウビタキが姿を見せるだろう。ツグミも現れるだろう。秋は駆け足で更けていく。

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