2011年2月4日金曜日

タカハルチョウ


鹿児島県霧島市にある新燃岳(標高1,421メートル)の噴火が収まらない。真東のふもとには宮崎県高原町(たかはるちょう)が広がる。大陸から寒風が吹き寄せれば風下になる。火山灰や噴石が降り注いでもいる。火砕流の危険があるため、町は約500世帯1,100人に避難勧告を出した。鹿児島・宮崎両県で計350人を超える人たちが避難しているという。

新燃岳も、高原町も初めて知った。テレビで噴火のニュースに接するたびに、耳がそばだつ。「タカハルチョウ」。自分の名前をだれかが呼んでいる、そんな感覚に襲われる。沖縄の「ハエバル」(南風原町)がそうであるように、九州の方では「原」を「ハル」「バル」と発音する。

高原町とはどんな町か。役場のHPをのぞいた。「たかはるニュース」のコーナーに噴煙を上げる新燃岳の写真が載っている。2月3日時点での噴火ドキュメント写真も見られる。

HPやウィキペディアの受け売りだが、町は宮崎県の西南部、国立公園霧島山を境に鹿児島県と接する静かな山あいに位置している。「天孫降臨」の神話のふるさととかで、人口は1万人弱。畜産を主にした農業が基幹産業だ。面積は85平方キロメートル。

いわき市を貫流する夏井川の上流、田村郡小野町は面積125平方キロメートル、人口1万2,000人弱。小野町から類推すれば、意外と人口が多い。豊かなのだろう。

いわき市は西に阿武隈高地が広がる。今年は寒気がきついために、時折、雪雲が山を越えてやって来る=写真。「吹っかけ雪」を眺めながら、「タカハルチョウ」を襲う火山灰はこんなものではないだろう――そんな思いがふくらむ。

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