2011年4月10日日曜日

ボランティア作業始まる


「雨が降ったら中止」「その判断は朝7時、nakoso.netでお知らせします」。4月8日夕方の運営スタッフ会議での“確認事項”だった。

「ナコソ・ドット・ネット」は、NPO勿来まちづくりサポートセンターのHPだ。中に、勿来地区災害ボランティアセンターのHPを特設した。9日早朝のぞくと、開所します、一般ボランティアを受け付けます、とあった。

記事をアップした6時段階では「曇り」。間もなく小雨が降り始めた。が、「午後には曇り」を信じて予定通り開所したという。雨は午後になってもやまなかった。雨の中でのボランティア作業初日となった。

「災害ボランティアセンター」には、<統括責任者>の下に<会計・総務・記録担当>が置かれ、それとの連携で前線での活動を効果的なものにするために、<ニーズ調査班><ボランティア受付班><物資担当班><医療・ケア班>が配置されている。

初日9日に参加した作業ボランティアは、運営スタッフを含めておよそ60 人、いや70人くらいだったろうか。午前はセンター周辺の道路に散乱している泥や藁屑その他がまじった“津波ごみ”を撤去し、午後は沿岸部の関田須賀地区へ繰り出して、要望のあった“津波ごみ”の片づけに奮闘した=写真

スタッフが一番心配するのは作業中のけがだ。津波が運んできた泥その他のごみがヘドロ化している。長靴を履いているから安心かと言えばそうではない。ヘドロの中に釘や金属片などが混じっていて、踏み抜いたり、ゴムを裂いて足に傷をつけたりする。手にけがをすることもある。

<医療・ケア班>のある本部に、早速、作業中にけがをしたボランティアがやって来た。ボランティアは、こんな傷はたいしたことないと思いがちだが、ヘドロには病原性の微生物や有害物質が混じっている。とにかく即、消毒――これが鉄則だという。

作業は午前と午後に分けて行い、時間になればボランティアは必ずセンターに戻って来る。その際、水で長靴の泥を払い、手を消毒し、うがいする――といった衛生面でのケアが欠かせない。

無事に作業をしてもらうためには、スタッフにも知識と知恵が要る。それをスタッフは役割に応じて実践している。わずかな時間だが、事前にリハーサルを繰り返し、本番に備えてきた。被災者の生の声に学び、現場に学び、ボランティアに学び、スタッフに学ぶ。そんな有機的な関係が初日から構築されつつあるように思われた。

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