2011年5月4日水曜日

コゴミをてんぷらに


山菜を採るには絶好の季節になった。夏井川渓谷の無量庵では、いながらにして山菜が採れる。庭にヨモギやツクシが生え、若いフキが半円状に葉を広げている。庭の周辺では、コゴミ(クサソテツ)が握りこぶしのような芽を出し始めた。ワラビ=写真=とゼンマイも首を伸ばしている。

原発事故で大気と大地が放射能に汚染されたため、今年は山菜採りをあきらめていたが、足元に生えだすとやはり手が伸びる。コゴミを少し摘んだ。

きのう(5月3日)も書いたが、無量庵の畑のタラの芽はだれかに盗られてしまった。放射能を浴びたので、採るのをためらっていた。県道も「通行止め」になっている。行楽客はほとんど来ない。が、山菜狙いの人間は見逃さない。畑に侵入して一番芽をスパッとやった。

福島県がキノコと山菜の放射性物質を検査した。報道によれば、福島市などでコゴミ(露地)が、いわき市で原木シイタケ(露地)、タケノコが食品衛生法の暫定基準を上回った。福島のコゴミといわきのタケノコについては、出荷・採取の自粛を――となった。

線量計を使って数値を調べている知人がいる。夏井川渓谷に住み、原木シイタケその他を栽培している。先日会ったら、「数値は高いが、食べてる」と言う。「食べる? やるよ」。遠慮した。

タラの芽も、ワラビも今年は採取を見送る。コゴミだけにする。水でよく洗って、てんぷらにした。あくがないので、ゆでればすぐ食べられる。マヨネーズあえが簡単でおいしい。が、初物はやはりてんぷらだ。初物(食べはじめ)にして終わり初物(食べおさめ)のつもりで口にした。

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