2011年6月22日水曜日

夏至


東北地方は南部・北部ともに、きのう(6月21日)、梅雨入りした。「南部・北部」同時は珍しい。関東甲信越までは北陸を除き早々と梅雨入りしたが、東北南部は平年より9日、昨年より7日遅かった。そして、きょうは夏至。

家庭菜園を始めてからの感覚だが、夏至になると体は喜びながらも、心はちょっぴり翳る。

冬至のときの感覚を言えば、わかってもらえるか。冬は、日が短い。寒い。畑仕事はできない。でも、「一陽来復」だ。やがて光が戻ってくる。春になったらこうしよう、ああしようと、胸が躍る。

夏至は光の絶頂期。冬至の逆で「一陰来復」だ。早く夜が明け、遅く日が暮れる。しかも、これからが酷暑の夏本番。暑さに立ち向かっていかなければならない一方で、冬へと坂道を転がっていく。夏至の日にはいつも、その坂道のてっぺんに立ってしまった、という感覚に襲われる。

さて、日本列島のあちこちで夏至に合わせたキャンドルナイトが始まったようだ。今年はとりわけ意義深いものになるだろう。

先日、東京へ出かけた折、東京駅構内で節電を呼びかける「情報板」に遭遇した=写真。東京電力の電力使用状況を三つの数字で知らせている。土曜日(6月18日)の朝8時台で使用率69.4%、使用量2,860万キロワット、ピーク時供給力4,120万キロワット。さすが東京、いとも簡単にこんなデータ表示ができる。

駅は節電中。といっても、いわき駅前の再開発ビル「ラトブ」よりは明るい。

昨夜、小名浜へ出かけた帰り、海岸道路を利用した。信号待ちをしていたら、「ドボン」という波の音が聞こえて、ドキッとした。波の音におびえるようでは困ったものだ。永崎、豊間。津波被害にあった地区である。道路沿いはすっかりガレキが除去されていた。海へと暗闇が広がる中でもそれが分かった。

ごっそり家の欠けた被災地の夜の暗さに比べたら、東京の夜はまだまだ皓々としている。

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