2011年7月5日火曜日

インドハマユウ


近所の駐車場の一角に花壇がある。インドハマユウらしき花が咲いている=写真。あるじはどうしたのだろう。やはり、避難したままなのか。

駐車場の花壇は歩道に接してある。早朝散歩の折、駐車場の持ち主である奥の家の奥さんが、花壇に出てよく草むしりをしていた。

中神谷に引っ越してきたばかりのころ(もう30年以上前だろうか)、知人が「元上司だから」と紹介してくれた。家に飲みに行ったこともある。以後は、お互い子育てに追われて行き来することはなかったが。

「3・11」以後、花壇は、手入れされた様子はない。インドハマユウの花は咲くと、枯れて汚れた色になる。咲いたばかりの花と、枯れた花と。奥さんがいれば、枯れた花はそのつど摘みとっていたのではないかと思うのだが……。マツヨイグサ系の雑草も生い茂っている。

奥さんの実家がある山形の方へ夫婦で疎開していると聞いたのは、だいぶ前。奥さんが手入れをしていた花壇の荒れようを見ると、やはりそうなのかと思う。

同じ通りの、ちょっと手前。2カ月に一回、地域の有志が集まって飲み会をしていたスナックがある。「3・11」以後、店を閉めた。きのう(7月4日)夕方、店の前を通ったら、止まり木といすはそのままに、ほかのスペースを座敷にでもするような改装工事が行われていた。靴を脱いで上がる居酒屋になるのだろうか。

地域には医院が二つあった。今は先に開院した医院ががんばっているだけ。あとに開院した医院の経営者は、たぶん子どもが小さいのだろう、「3・11」以後に閉院した。

前にも書いたが、出ていく人がいれば、入って来る人がいる。空き家が埋まり、アパートの空き室が埋まり、空いている部屋もリニューアルされる――。地域の片隅を見ているだけでも人が動いているのがわかる。

仮設住宅などに入居した避難民にNGOのシャプラニールが調理セットを配る活動を展開している。会員のカミサンが店をやりながら、近所に仮住まいを求めた人たちと接触するようになった。以来、クチコミで新しい人と人とのつながりができつつある。いや、静かに増殖しているといってもいい。

きのう一日だけでも、前からのネットワークの中で近所のミシンがわが家から久之浜へ行き、小名浜からわが家に他県からの支援物資である食器が届いた。これを必要としている人がいる。

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