2011年7月24日日曜日

災害ボランティア


いわきで震災復旧支援活動を展開しているNGOのシャプラニールが7月、2回に分けて2泊3日の災害ボランティアツアーを実施した。2回目最終日のきのう(7月23日)、参加者と昼食を共にした。

ツアーの概要はこうだ。初日、東京から高速バスでいわき入りし、被災地を視察する。2日目、いわき市災害救援ボランティアセンター経由で現地に出向き、作業をする。3日目も作業に汗を流し、午後遅く、高速バスで帰る。

2回目は、いわき湯本IC午後3時過ぎの高速バスで帰京する段取りになっていて、午後1時に湯本駅前の「おかめ」=写真=でワンコイン(500円)定食を食べるという。「一緒に昼食、どうですか」と声がかかった。

東京からやって来たスタッフ・ボランティアは15人。これに現地駐在スタッフと私ら夫婦が加わったために、座敷はぎゅうぎゅう詰めの状態。慣れない正座をして、もごもご食べながら話をした。

「おかめ」の斜め向かいに「みゆきの湯」がある。ボランティアは温泉につかってさっぱりした顔に。生ビールをグイッとやる人もいた。

と、そのとき――。ボランティアのケータイが一斉に鳴りだした。「緊急地震速報」というやつだ。何秒かたって、きた。ゆったり、グラグラ。震源は宮城県沖。岩手の遠野で震度5強、いわきは2だった。東北は毎日、揺れている。ボランティアにとってこれ以上リアルな体験はないだろう。

食事のあと、ボランティアは駅前の和菓子店「久つみ」でしばし買い物を楽しみ、同じ湯本地内にあるシャプラの現地事務所に移動してツアーの感想を語り合った。

初日、豊間と薄磯の津波被災地を視察した。私の旧知の大工さんから震災当時の話を聞いたという。「津波が壁になって襲ってきた」。そんな言葉に息を呑んだことだろう。

2日目は久之浜で被災家屋の片付け作業をし、最終日は泉の雇用促進住宅で被災者と一緒に草刈りをした。

おもしろいボランティア作業だ。初めて草刈り機をいじったという。「農村景観は草を刈ることで維持されている。原発事故の影響で人がいなくなったところ、例えば川内村は景観が荒れている。草ぼうぼうだよ」。食事をしながらそんなことを話した。

「現地の生の声を聴けた」「被災者と交流しながら草刈りができた。これが一番よかった」「マスメディアでは報じられていないことを知ることができた」「現地の人から『ありがとう』と言われた」……。得難い経験になったようだ。

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