2011年8月4日木曜日

三春ネギを伏せ込む


仕事も一段落ついた。曇天だから、汗をかいてもクラクラするようなことはない。きのう(8月3日)朝、夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。三春ネギを「曲がりネギ」にするために、溝を斜めに切って伏せ込むのだ。

ほぼ1カ月前に表土をはいだ。そこが伏せ込み(方言で「ヤトイ」という)の場所。春に仮植えしたネギ苗の本数に合わせて、畳3枚分くらいのスペースに五つの溝を切った。ロープを張って溝が直線になるようにスコップを入れる。その溝に対して斜めに土をカットする。カットした土はネコ(一輪車)で畑のそばのヤブに運ぶ。そこしか置き場がない。

ササダケが密生した荒れ庭だった。開墾をして小さな菜園ができた。土も15年の間に黒くやわらかくなった。ところが、原発震災で一切が暗転した。すべての場所が放射性物質で汚染された。わが菜園も無事ではない。線量を少しでも減らすには表土をはぐしかない。溝を切る段になって、やはり東電と政府への怒り、そして呪詛がこみあげてきた。

溝は5列といっても、長さにすれば10メートルちょっとか。たいしたことはないようだが、休みなく体を動かしても3時間余りかかった。

そのあとがまた一仕事だ。脇のうねからネギ苗を掘り起し、皮をむいてきれいな白根にする。細いものは植えても大きくならないから取り除く。そうして選り分けたネギを溝に並べる。並べたら、堆肥をかぶせて軽く覆土する――と指南書にある。

堆肥は、落葉や庭の刈り草を集めてつくる。そのための枠を庭の一角に設けた。シートをかぶせてある。とはいえ、枠から刈り草がはみ出している。汚染稲わらと同じだ。これは除去しなくてはならない。

枠の下の方では落ち葉が分解して黒々と層をなしていた。底の方の堆肥を取り出す。と、雨がぱらつきだした。ネギの白根の先に堆肥をかぶせ、軽く覆土するころになると、雨脚が強まった=写真

後片付けは中止にして、家に駆け込み、昼食をとり、昼寝をして、晴れるのを待った。が、雨はやみそうにない。傘をさして後片付けをする。

今年の8月は、後半にいろいろ予定が入っている。お盆上がりに伏せ込みを――ともくろんでも、突発的な飲み会が入ってくるのでうまくいかない。カンカン照りが続けばやりたくなくなる。きのうしかなかった。これで、すっきりした気持ちでお盆を迎えられる。

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