2011年9月17日土曜日

冷泉寺コンサート


小名浜の冷泉寺で9月14日午後6時から、インド音楽と舞踊のミニコンサートが開かれた。副住職が自分のブログ「しんぼっちの徒然日記」で告知していたので、国際協力NGOの女性スタッフを案内しながら、夫婦で駆けつけた。タブラとシタールの高速演奏がすばらしかった。

「しんぼっち」を先頭に、真言宗のお坊さんたちが津波被災者や双葉郡から避難している人たちの支援活動を展開している。その流れのなかで、国際識字文化センターのスタッフが避難所を訪れ、紙芝居とインド舞踊を披露した。今回の本堂コンサートは、インド舞踊家でもある同センターの事務局長さんの骨折りで実現した。

タブラ奏者は、インドで850年続くタブラ奏者の家系、ファルカーバード派の第34代、アリフ・カーンさん、25歳だ。

「しんぼっち」からもらったチラシによれば、古典と現代音楽を取り入れた演奏スタイルが特長で、バングラデシュやアメリカ、ドイツなどでもコンサートを開いている。2009年9月に初来日して以来、日本には多くの友人ができ、日本を「第二の故郷」のように思っているという。インドでも名だたる青年奏者ではないか。

本人の希望で被災地でのコンサートが実現した。9月14日は冷泉寺に先立ち、楢葉町の一次避難所になっている内郷「中の湯」でコンサートが開かれた。15日には、江名小でタミルフォークダンスを加えたコンサートが開かれた。

カーンさんと協演したのはヨシダダイキチさん。「即興・高速のシタール奏者」として知られているという。カーンさんの指さばきも高速だ。二人は目と目でコンタクトしながら演奏を続け=写真、これに聴衆が拍手と歓声でこたえた。まるでロックコンサートのようなノリだった。

といっても、聴衆の大多数は冷泉寺の檀家さんだ。歩いて寺へやって来た。これにクチコミで開催を知った人、私たちのように「しんぼっち」のブログで開催を知った人間が加わった。みごとな指さばきにおばさんたちも共鳴せずにはいられなかった。

冷泉寺の建物は3年前の秋に新築された。国際的に知られる建築家隈研吾さんの設計で、本堂ではイスにすわってお経を聴けるようになっている。「21世紀の新しい寺院」だ。そのイスが埋まった。ざっと100人はいただろう。

コンサートのあとは、山元彩子さんら3人によるインド舞踊が披露された。汗を滴らせる熱演に拍手が鳴りやまなかった。

演奏者も、聴く側・見る側もおたがいにエネルギーを放射し、吸収し合う関係になったようだった。

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