2011年11月7日月曜日

第34回吉野せい賞表彰式


第34回吉野せい賞表彰式がきのう(11月6日)午後、いわき芸術文化交流館「アリオス」大リハーサル室で開かれた。例年、草野心平記念文学館で開かれているが、今年初めてアリオスが会場になった。今回限りの変則開催かどうかは確かめていない。

今年の受賞者は、せい賞・青柳千穂さん「執着」、選考委員会特別賞・根本由希子さん「また、晴れた空の下で」、奨励賞・小林叶奈さん「宮戸診療所」の3人=写真。青柳さんは高校3年生。高校生として初めて、頂点のせい賞を受賞した。むろん、せい賞としては最年少受賞者ということになる。

毎回、表彰式の前に選考委員と受賞者が昼食をともにする。作者の声を聞き、選考委員の声を伝える、貴重な機会になっている。根本、小林さんのほか、選考委員3人が出席した。青柳さんは午前中、模擬試験があるということで欠席した。

作品と作者は別、作品だけを論じればよいという考え方がある。が、作者の意図なり、思いなりを知ることで、より正確に感想を述べたり、アドバイスをしたりすることができる場合もある。食事をともにしながら、というのが、重くなくていい。選考委員などということでなく、書き手と読み手が語り合う、そういう場でもあると思って出席している。

表彰式では選考結果を報告した。応募36編のうち、10編は3・11をテーマにしているか、触発されて書かれた作品だ。根本、小林さんの作品がそれに当たる。今年の一大特徴でもある。

なぜそうなったのだろう。3・11がもたらした、身も心も押しつぶされそうな現実に、かえって生きよう、生きて何かを残そう、伝えようとする力が、心の深いところではたらいたのではないか。それはつまり、生きる力、文学の力でもある、というようなことを述べた。書くことによって人は救われるのだ。

受賞者の一人がやはり、作品を書くことで救われた思いがした、と吐露した。生きる原理に根ざした文学の力を、今年のせい賞応募作品を通じて再認識させられたのだった。

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