2011年11月9日水曜日

応急仮設住宅


双葉郡楢葉町の老夫婦が、いわき市平中神谷の親類の家で借り暮らしをしている。町は福島第一原発から20キロ圏内に入るため、警戒区域に指定された。中神谷に避難後、わが家(米店)に顔を出したり、こちらから注文の品を届けたりする関係になった。平市街にできた楢葉町の応急仮設住宅に入居したというので、カミサンと様子を見に行った。

奥さんと娘さんがいた。ご主人は一度、仮設住宅を見に来たが、すぐ気分が悪くなったとかで、中神谷の家にとどまっている。ペットは、犬も、猫もご法度。中神谷の家に愛犬を置いたままだ。当分は行ったり来たりの生活になるという。

1棟2世帯、ないし4世帯が入る木造住宅が連なる=写真。57世帯が入居できる。室内を見せてもらった。南側に4畳半が2室、玄関のある北側に台所とトイレ・風呂。ざっと四つの空間からなっている。

場所は平作町。東北電力いわき営業所の東隣だ。住宅密集地で、マルト(スーパー)がある。飲食店がある。暮らすには便利だが、田園の風趣からはほど遠い。ご主人にはそれが耐えられないのかもしれない。中神谷の家は農家の離れ。目の前に畑があり、堤防があり、夏井川がある。

ご主人は自宅への帰還を切望している。が、現時点ではかなわない。楢葉町の環境放射線モニタリング結果をチェックしたら、最も高いところが地上1メートルで上繁岡集会所(駐車場)の毎時2.55マイクロシーベルト、地上1センチメートルでは県道35号(楢葉町・富岡町境)の3.49マイクロシーベルトだった(9月15日現在)。

上繁岡集会所? 地図を見る。ハクチョウの飛来地・大堤のそばだ。わがふるさとの田村市常葉町への行き帰りに、「山麓線」(県道いわき浪江線)と国道288号を利用することがある。冬は大堤に寄ってハクチョウをウオッチングする。そのためだけに出かけたこともある。そこが一番高いとは、なにやら象徴的ではないか。

作町応急仮設住宅には集会所もある。入り口に県議選のポスター掲示板が設けられていた。いわき市選挙区にしては張れるポスターの数が少ない。双葉郡選挙区だと合点がいく。定数2に5人が立候補を予定しているようだ。その県議選があす(11月10日)告示される。

期日前投票も、開票作業も今までのようなわけにはいかない。楢葉町民のいわきの投票所はいわき明星大、全体の開票作業も同大で行われるとか。

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