2011年12月23日金曜日

解体撤去申請


被災者の生活再建を支援する制度の一つに「損壊家屋等解体撤去事業」がある。「半壊」以上の判定を受けた家屋などについて、いわき市が所有者の申請に基づき解体・撤去を行う。自ら業者を頼んで解体・撤去しても、基準額の範囲内で業者から払い戻しを受けられる。

わが家の離れの物置が「半壊」の判定を受けたので、解体撤去申請書を市役所に提出した。知り合いの職員の話では、業者が来て取り壊すのはざっと1年先になりそう。それだけ解体・撤去待ちの損壊家屋が多いということだろう。

前にも書いたが、近所でもすでに何軒かが取り壊された。向かいの土蔵、旧家の大きな家、ハクチョウが越冬地に選んだ夏井川の堤防そばの家……。津波被害の甚だしかった沿岸部から、地震で半壊以上の判定を受けた内陸部へと、解体・撤去の“主戦場”が移ってきたようだ。近ごろは住宅密集地での解体作業が目立つ。

文化財的建築物だった平・本町通りの「ナカノ洋品店」はもうない。いわき駅の西方、揚土の坂の途中にあったカミサンの同級生の家=写真=も解体・撤去されて更地になった。小名浜の先輩の家はどうか。もう姿を消しただろうか。

市のホームページを開き、災害対策本部がまとめた「住家被害」の数の変化を見た。4月18日までは「被害戸数等詳細については不明」とあり、翌19日になって初めて7129棟という数字が明記される。

それからは日ごとに数が膨らみ、8カ月余がたった12月20日現在では、「住家被害」7万8835棟に達した。内訳は①全壊7608棟②大規模半壊6787棟③半壊2万2633棟④一部損壊4万1807棟である。きのう(12月22日)現在では合計7万9000棟台を突破した。まだまだ罹災証明申請が続いているということだろう。

離れには本箱が並ぶ。本はあらかたリサイクルに回した。それでもなお整理のつかないものがある。物置とはいっても、もとは書斎代わりだった。土足で上がりおりをするようになったのがつらい。

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