2011年12月28日水曜日

キノコ2011年


いわきキノコ同好会の総会・勉強会・懇親会が日曜日(12月25日)夜、田町平安(旧大貞)で開かれた。3・11の東日本大震災とそれに伴う原発事故の影響で、キノコとキノコを愛する人々には、今年は最悪の年になった。そのしめくくりの集まりだ。

春に1回、秋に2回、計3回予定していた観察会は秋の2回だけにとどまった。10月2日・閼伽井嶽(平)で、同9日・雨降山(三和)で実施された。私は1回目だけ参加した。地区公民館などを会場に、参加者が採集したキノコを会長の冨田武子さんが同定する=写真。そうやってキノコの鑑識眼を鍛えるのがこの同好会の特徴だ。

今年は「キノコが私たちの生活から遠くかけ離れたところに行ってしまった」(冨田会長)。発生そのものも少なかった。懇親会では、それでも森のキノコと向き合い、食べるべきか食べざるべきか、逡巡した思いが吐露された。

マツタケのシロを持ちながら、「今年は食べない」と決めた人がいる。他人にシロを知られたくないので、せっせとマツタケを採っては捨てたという。シロを持つ人に懇願したら、シロを教えてくれた。一緒に行って何本かマツタケを採った。家族は食べるのを敬遠したため、本人だけ食べた。そんな報告もあった。

12月にフユヤマタケを採った人が多かった。松林に発生するヌメリガサ科の食菌で、放射線量を測ってもらったら、「絶対に食べないように」と注意された。ところが、水で洗い、ゆでこぼした同じものを持ち込んだら、ほとんど数値は計測されなかった。水で洗い、ゆでると、線量低減の効果があることがわかった。

人はキノコを食べるためにいろいろと工夫をする。放射能の影響を受けやすい菌類だけになおさら真剣だ。よく水で洗う、ゆでる。来年はこれでいこう――希望の光がともった感じがする。

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