2012年1月28日土曜日

空の目


10代後半に、「青空のへそ」がどこかにあるはずだ、そんな妄想にとらわれたことがある。青空のどこか、夜空なら北極星のようなもの、肉眼では見えないけれども「へそ」を示すなにかがあるはず――たぶん、地球を包む大気圏を風船、いや子宮にみたてて、外側の母体(宇宙)と内側の胎児(地球)の結びつきを考えていたのかもしれない。

いわきの夏井川でハクチョウたちが越冬する場所は、大きく三つ。飛来した歴史でいえば、平・中平窪、同・塩~中神谷、小川・三島。このごろ、塩の夏井川にやって来たハクチョウやカモ類の動きが活発だ。

早朝、堤防を散歩していると、ハクチョウが数羽、頭上を通過して海の方へ向かう。カモたちがワラワラ飛んできて着水する。撮った写真をパソコンに取り込んでチェックしたら、
遠ざかるオナガガモの後ろ姿が「こけしの目」に見えた=写真。それがいくつも宙に浮かんでいる。「青空のへそ」ならぬ「空の目」だ。

カメラのいたずらでも、そういうふうに見えるところが面白い。消去するわけにはいかない。

塩~中神谷のハクチョウは朝、1月前半までは塩だけだったのが、下流の中神谷でも羽を休めるようになった。ハクチョウとつかず離れずのカモたちも群れをなして飛び交っている。日中もそうかどうかはわからない。が、早朝は壮観だ。

ハクチョウにえさをやっているMさんとの、堤防上での会話。「(ハクチョウが)増えてきた」「小川の三島も(1月18日昼前に)400羽くらいいましたよ」「平窪は田んぼにいるようだ」「冬水田んぼですね」

きのう(1月27日)の朝は台所の水道管が半分凍結した。この冬一番の冷え込みだった。午後には風が強まった。会津と中通りは雪。今朝は、水道管は大丈夫だった。

極寒期に入った。日本の北にとどまっていた冬鳥たちがたまらず南下してきた。それで夏井川でもハクチョウやカモたちの数が増えたのだろう。「空の目」の次にはどんな絵をみせてくれるのか。いよいよカメラが手放せない

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