2012年2月26日日曜日

あわや孤独死


「いわき市あんしん見守りネットワーク活動事業」の事例発表会で話を聴いた直後に飛び込んできたニュースだ。さいたま市の60代夫婦と長男が餓死?したという。なんてことだ。

そういえば――。東日本大震災の前の昨年1月、豊中市で60代の元資産家姉妹が孤独死をしているのが見つかった。今年1月には札幌市で40代の姉と知的障害の妹が、釧路市で70代の妻と80代の認知症の夫が亡くなっているのが発見された。2月13日には立川市で40代の母親と知的障害のある4歳の子の遺体が見つかった。

わが行政区=写真の奥の方=は?――独り暮らしのお年寄り、あるいは高齢者夫婦がどこにいるかは、区としてもだいたいはわかっている。が、東日本大震災で民生委員が安否確認をし、緊急支援物資を配達するなかで、把握しきれていないお年寄りが何人かいることもわかった。

お年寄りに限らないが、家族、たとえば子どもたちが独立し、パートナーが亡くなって一人になる(孤独)、あるいは周りと接触を拒んで暮らす(孤立)――後者もまた隣人の一人ではあるのだ。

あるところで、大みそかにこんなことがあった。4階建てのアパート1階。ドアに新聞がたまり、回覧板が置いてあった。住んでいるのはお年寄り一人。心配した階上の人が民生委員に連絡した。民生委員からの連絡で少し離れたところに住む子どもさんが来た。合鍵は持っていない。警察を呼んだ。警察の人とは万一「死んでいたとき」の話になった。

入り口とは反対側、部屋のガラス戸にはたまたま鍵がかかっていなかった。警察がそこから部屋に入った。お年寄りは布団の中で、高熱を出してふるえていた。階上の人がピンポンをやっても応答がない。民生委員が行っても同じ。子どもさんが来ても変わらない。応答できる状態ではなかったのだ。

警察はお年寄りが生きていることを確認して去り、代わって子どもさんが救急車を呼んだ。

新聞がたまっていることに気づいた階上の人がいたからこそ、お年寄りは一命を取りとめたといえないか。あのまま高熱を出してふるえていたとしたら……。新聞に「孤独死」の見出しがおどったかもしれない。

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