2012年4月27日金曜日

自宅に放火


夜火事を“取材”した=写真。おととい(4月25日)、午後10時半すぎ。わが家からざっと600メートル先、旧国道に沿って住宅地が展開する一角だ。

26日付の夕刊(いわき民報)によると、25日午後10時5分ごろ、84歳の老人が自宅に火をつけた。木造平屋建て住宅1棟が全焼した。警察は26日午前6時すぎに老人を放火の疑いで逮捕した。

――晩酌をすませ、ブログの原稿を書き終えようとしていたときだ。自宅前の旧国道を消防車がサイレンを鳴らしながら通過した。1台。また1台。またまた1台。おかしい。2階の窓を開けたら、東の夜空にうっすら灰色の煙が高く、高く立ちのぼっていた。近い。

消防本部の火災情報サービス(電話)で確かめたら、わが行政区ではない。カメラを首からぶら下げて道路に出ると、隣の奥さんがちょうど家から出てきたところだった。「どこでしょう」「あれ、煙が見えるでしょ」「あら」。気持ちは小走りになっているが、足はさっぱり前に進まない。警察回りのころのすばやさはとっくになくなっている。

現場に着いたら、ほぼ鎮火していた。人でごった返していた。近くの人が警察に説明している。「窓の外が明るいなと思って開けたら、家が燃えていた」「熱気を感じた」。別の警察・消防の人間が「Sさん、いませんか。Sさん、いませんか」と大声で連呼していた。自宅に放火した老人を探しているのだった。

夕刊の記事で二つ、気になった。警察の取り調べに対して「生活の先行きに不安を感じ、犯行に及んだ」ことをほのめかしているという。近所の人の話として「隣組に入っていなかったので、あまりつきあいはなかったものの、会えばあいさつはいしていた」。今朝の福島民報によれば、独り暮らしだった。

憶測はもちろん避けなければならない。が、犯行に至った84歳の老人の心象風景にどこまで近づけるか。ヤジウマでは済まない火事になった。

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