2012年5月20日日曜日

長寿遺伝子


いわき地域学會の市民講座がきのう(5月19日)午後、いわき市文化センターで開かれた。会員の馬目太一さん(内郷)が「長寿遺伝子についての話」と題して話した=写真。馬目さんは製薬会社を退職後、いわき明星大薬学部で教鞭をとっている。

日本人の平均寿命は世界一。平成22年の試算では女性86.4歳、男性79.6歳になる。つまり、この年に生まれた赤ちゃんの平均余命がそれだけある、ということだ。人口が1億人を超える国でこれほどの長寿を保っているのは大変なこと――そのへんから話が始まった。

薬学部の学生が聴く講義だ。中高年には難しいかなと思ったが、意外と頭に入ったらしい。長生き遺伝子である「サーチュイン遺伝子」とか、カロリー抑制効果を持つ抗酸化物質の「レスベラトロール」とかいう言葉をていねいに説明してくれたからだろう。講話が終わって受講していたお年寄りから質問が相次いだ。

歴史的な平均寿命の確認、縄文時代の寿命、ニンニクの効用……。なかでも「カロリー制限」が関心を集めた。炭水化物・タンパク質・脂肪を今より30%カットすると、長寿化が始まるという。メタボな日本人が増えてきた。「一日三食」を「一日二食」にするといい、ということか。

わが身を振り返ると、確かに飽食気味ではある。脂肪をとりすぎのようでもある。バランスのとれた、昔の日本の食生活に回帰するのが一番らしい。

受講者の最高齢は95歳のSさん。小柄でやせている。事務局から紹介されると、馬目さんが逆質問を始めた。カロリー制限をしてきたのか? 本人にはそんな意識はなかったろう。が、間違いなく長寿遺伝子を持っている。そのおかげで生涯学習の意欲は少しも衰えていない。長寿遺伝子の話を長寿の人たちが聴く――論より証拠の講座だった。

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