2012年5月25日金曜日

水稲苗


5月はいわきの田植えどき。大型連休後半に始まった田植えは、5月下旬になってようやくピークを過ぎたようだ。で、あの稲苗はなんだったのか、なぜそこにあったのか、という思いが募る。早朝の散歩ルートに育苗箱が落ちていたのだ=写真

私の住む中神谷と隣接する下神谷(いわゆる草野)はもともと田園地帯だ。田畑が広がっていた。今は宅地開発が進み、住宅と田畑が混在するようになった。

歩道に水稲の育苗箱が置かれていたところは下神谷分だ。中神谷であれば、知り合いが軽トラに稲苗を積んで田んぼにむかう――それをしばしば目撃している。隣の地区も軽トラで運搬というのは変わるまい。が、どこの家が農家なのかなどということはさっぱりわからない。

高速バスの駐車場がある。目の前は国道6号常磐バイパスの終点。土手が半円状になって本線に接続する。つまり駐車場の前の道路は急カーブだ。とにかく、その急カーブで苗箱のひとつが落っこちたのだ。

そのあとの散歩者の動きを想像する。ある人が車道から苗箱を歩道に寄せた。そのあと、苗箱は歩道から草むらの方へ移された。誰かがやはりそうした。歩道の上では見るにしのびなかったのだろう。

秋の実りを約束する稲苗だ。なぜそこにあるのか、なぜ取りに来ないのか。あれこれ考えたものの、結論は出なかった。苗は余分につくっている。田んぼの一角ががらんとしている、なんてことはないだろう。想像を超える不思議な落とし物ではあった。

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