2012年7月15日日曜日

ヘビの抜け殻


「ヘビの抜け殻がある」。夏井川渓谷の無量庵の庭。用があってやって来た近所の人が指をさす。玄関前の木の枝に抜け殻が引っかかっていた=写真。風で飛ばされて来たものが枝にからまった、なんてことは考えられない。樹上で脱皮したのだろう。

樹上性のヘビといえば、アオダイショウだ。夏だったか、平地の里山を歩いていたとき、頭上からどさりとアオダイショウが落ちてきたことがある。それを思い出した。抜け殻はおよそ1.5メートル。やはりアオダイショウだろう。

アオダイショウは農家や米屋の守り神だ。米を食い荒らすネズミを退治してくれる。カミサンはそういうふうに親から言われ、実際に家でアオダイショウを見ながら育った。

わが家の神棚に「へびのぬけがら」とかかれた紙箱がある。下の子が小学生のころ、どこからか拾ってきたのを入れていた。ありがたがって神棚に供えて置いたのだろう。開けてみたらもぬけの殻、箱の隅に茶色い粉末状のものが少し残っているだけだった。分解してしまったらしい。

なにせ「ヘビの抜け殻を財布に入れておくと金運がよくなる」といわれる。よくなったためしはないが、なんとなく前に向かっていくエネルギーがわくような気がするから不思議だ。

無量庵のヘビの抜け殻はそのままにしておいた。今度行ったときにまだ残っていたら、回収してカミサンの財布に一部を入れてやろうと思う。「イヤだ」と首を振っていたが、ご利益があるかもしれないから。

0 件のコメント: