2012年9月9日日曜日

テーブルの脚を一新


夏井川渓谷の無量庵は、もともとは義父が隠居用に建てた。下流の平市街にあった、解体寸前の平屋を譲り受け、ばらして運び、再建した。新築するよりカネがかかったということを、あとで聞いた。40年以上も前の話だ。

その建物の管理人になってから17年になる。義父母が彼岸に渡り、次の世代である私らが無量庵の庭に木のテーブルを置いたり、菜園を開いたりした。先日、そのテーブルの脚を取り換えた=写真。脚の下には薄いレンガを敷いた。

川内村の陶芸家兼工芸家がテーブルをつくった。テーブルは3枚の板材、脚は丸太だ、その脚が十数年を経て内側からグズグズになった。“部品交換”をしないと――。発注したら、ほどなく脚が届いた。ちゃんと防腐剤が施されてある。

無量庵は週末だけの家であっても、この40年余の間にわが孫も含めて4世代がかかわるようになった。が、それも建物の維持管理ができてこそ。畳を取り換える。物置をつくる。屋根の瓦をふき替える。台所を改造する。押し入れを直す。濡れ縁を広げる。絶えずなにやかにやと手を入れていないと、家の機能は維持できない。庭のテーブルもしかり。

週末から10日に一回、あるいは半月に一回といったように無量庵通いがペースダウンをした。それでさえ、庭や畑の雑草に難儀している。ましてや、双葉郡から避難せざるを得なかった人たちの家々は――想像するだけでも胸が痛む。

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