2012年10月20日土曜日

ホバリングする蛾


一見、スズメバチに似る。が、蛾の一種だ。ホバリングをしながら、長い口吻(こうふん)をアザミの花に差し込み、吸密する=写真。ホウジャクという。昼間に飛び回っているのでよく目立つ。

夏井川渓谷の無量庵へ出かけ、庭の一角にある菜園の草引きをした。一休みしていると、花から花へせわしく飛び回るハチがいた。よく見たら、ホウジャクだった。急いで車からカメラを取り出し、ファインダーものぞかずに何枚か撮った。偶然、1枚だけピントが合っていた。

ホウジャクはスズメガ科の蛾だ。漢字で「蜂雀」、音読みで「ホウジャク」。中南米のハチドリ(蜂鳥)のように高速ではばたき、ホバリングをしながら吸密する。

同じ仲間に翅の透明なオオスカシバがいる。こちらも昼行性で、ずいぶん前の夏、やはり無量庵の菜園で見たことがある。初めて見たそのときの、蛾とは思えない印象が今も鮮やかだ。

被写体としてはもってこいの虫だろう。ホバリングをする。長い口吻を持つ。体の模様が面白い。それだけのことで、ついカメラを向けてしまう。

無量庵の周辺には絵になる、ちっちゃな自然がいっぱいある。性能だけは優れたデジカメだが、使いこなす腕がない。接写や望遠、焦点深度、シャッター速度などを自在に調整できれば、豊かな写真世界に分け入ることができるのだろうが……。ま、これくらいでよしとするしかない。

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