2012年10月31日水曜日

バングラデシュ・原発計画


国際協力NGOセンター(JANIC)は、日本の国際協力NGOの最大のネットワーク団体だ。シャプラニール副代表の大橋正明さん(恵泉女学園大学教授)が代表を務める。東京・増上寺で10月27、28日、シャプラニールフエスティバルが開かれた。

日曜日(28日)、会場で「原発・福島・バングラデシュとわれわれ」と題する大橋さんのミニ講演を聴いた=写真

日本のNGOの歴史、JANICの震災対応活動、シャプラのいわき市での支援活動などに触れたあと、シャプラが40年にわたって活動を展開しているバングラデシュの原発計画問題を取り上げた。こちらが本題だ。

東日本大震災の前後から、ロシアがバングラデシュの原発建設を支援する話がしばしば報道されるようになった。大橋さんは今年3月、福島の経験と原発問題についてバングラデシュで講演した。反応は弱かった。

あまりにも悪すぎる現地の電力事情(計画的な地域停電の日々)と、原子力に対する理解の浅さがその背景にあるのではないかと、大橋さんは考える。

先進国では既に原発を建設できるような状況にはない。そこで、途上国への「原発輸出」を競うようになった。途上国の事情と先進国の思惑とが絡み合う――大橋さんの話を聴いて、ことは単純ではないことを知る。

福島の人間にできることははっきりしている。「福島の経験」を発信し続けることだ。国内へ、国外へ、そうしてバングラの市民と情報を共有するしかない、という大橋さんの話が胸にしみた。

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