2012年11月15日木曜日

辛み大根の葉


津波被害に遭いながらも、避難先で家庭菜園を楽しんでいる知人から、9月前半、会津の辛み大根の種をいただいた。「よし!」となって草を刈り、クワを入れ、種の一部をまいたら芽が出て、やがて葉が展開した=写真

無量庵(夏井川渓谷)にちっぽけな家庭菜園がある。大震災に伴う原発事故が起きると、自家採種をしている三春ネギ以外は栽培する気がうせた。菜園の半分以上が草に覆われた。これではダメだ――と思っていたところへ辛み大根の種が届いた。

いわき市は「農作物見える化プロジェクト」を展開している。その発展形として「見える課」ができた。野菜などの放射性物質を検査し、結果を公開している。無量庵のある小川地区では、隣組の回覧を通じて地区内の出荷用・自家消費用の野菜の結果を周知している。放射性物質はほぼ「不検出」。そうした“状況証拠”も背中を押した。

後日、知人からはがきが届いた。小欄を読んでいるタイ在住の息子さん経由でこちらの情報をつかんでいる。「三春のネギのそばに辛味大根をまきましたか? 被災者の私でさえ百姓しているのにだめだっぺヨ 畑を荒らしては」

そう、そうなのだ。届いた種をしばらく見つめているうちに、辛い大根おろしを食べたくなった。種を通じて、ハッパをかけられたのだ。

プロであれアマであれ、種をまき、育て、収穫し、食べるというサイクルに変わりはない。しかも、それはこちらの都合ではなく、作物の都合に合わせないといけない。否応なく体を動かすようになる。

つまり、畑仕事はお年寄りが不活発になって「廃用症候群」に陥るのを防ぐという効果がある。大げさに言えば、家庭菜園は心身の健康維持、生きがい対策になるのだ。

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