2013年2月20日水曜日

ホームビジット


日曜日(2月17日)に留学生のホームビジットが行われた。いわき市国際交流協会からカミサンに連絡があり、ネパールの青年(24歳)を1人受け入れた。「家庭生活体験」のあと、イトーヨーカドー平店2階にある、被災者のための交流スペース「ぶらっと」へ案内した=写真

留学生たちとは正午前、平消防署で対面した。防災訓練を終えたばかりの彼らとともに、協会が用意した弁当を食べ、それぞれの家庭で過ごしたあと、留学生を東日本国際大学へ送り届けて解散した。家では、こたつに入ってお茶を飲みながら話をした。私の生活リズムに合わせて「きどころ寝」(昼寝)もした。

この間ざっと5時間。青年が日本の家庭生活について知るより、私らが留学生の生活について学ぶ方が多かったのではないだろうか。

ネパールといえば「ヒマラヤの国」と思いがちだが、青年の生まれ故郷はインドに近い平原のチトワン郡。亜熱帯に属し、ベンガルトラやインドサイ、ヌマワニなどが生息する。彼の話から、ネパールは自然と文化が垂直的に展開する国であることを、あらためて知る。

彼もまた3・11に遭遇した。原発事故が起きると、仲間とともに東京へ避難した。一時帰国した留学生もいる。「そのころはまだ日本語がよくわからなかったから」。あのとき、日本人でさえ不安でたまらなかったのだから、その何倍も心細い思いをしたことだろう。

今月、日本語別科を修了した。4月からは大学で経済を学ぶ。ビジネスマンになるのが夢だという。春休みの今はバイトに追われる毎日。物価の高い日本では苦学せざるをえない。「きどころ寝」で少しは疲れがとれたか。

さて、ヨーカドーの「ぶらっと」である。この交流スペースは、バングラデシュやネパールで支援活動を展開しているNGOの「シャプラニール=市民による海外協力の会」が運営している。

留学生はネパール、ミャンマー、中国、オーストラリアなどからやって来た。彼がそうだったように、大震災に遭遇した留学生も少なくないだろう。大学とヨーカドーとは目と鼻の先だ。留学生も情報交換の場として「ぶらっと」を利用するといい――彼を案内したのはそんな思いからだった。

0 件のコメント: