2013年8月13日火曜日

保冷剤

立秋以来の猛暑に、甕の糠床もげんなりしている。このところ毎朝、糠床の表面に保冷剤をのせる=写真。きのう(8月12日)はさらに、甕を南側の台所から北側の洗濯機のそばに移した。「冷暗所」とはいえないが、台所よりは暗く、少し涼しい。毛皮を着ている猫も家の北側へ、北側へと移って休んでいる。それにならった。

7月中旬、2泊3日の京の旅から帰って糠床をかきまわしたら、シンナー臭がたちのぼった。カミサンの「かきまわし」が足りずに糠床が酸欠になった。暑い日には、表層が人間の体温以上の熱を持つ。糠を足し、塩を加え、唐辛子を入れてよくかきまわし、保冷剤をのせているうちに、シンナー臭が消えた。熱も少し引いた。

とはいえ、気温の高い日には表層が高熱を発する。糠床を冷蔵庫に入れるのが一番とはわかっていても、甕は冷蔵庫には入らない。朝、保冷剤を入れ、夕方にはそれを冷凍庫に戻し、翌朝再び糠床に入れる。糠床の健康のために、これを繰り返している。

エアコンのない「昭和の家」である。戸と窓を開放しているから、ニイニイゼミが、クロアゲハが、スズメバチが迷い込んでくる。スズメも、ヒヨドリも、ムクドリもたまに入り込む。

月後れの盆の入りを翌日に控えたきのうは、夕方、カミサマトンボが家に迷い込んだ。どこかの霊が一日早く帰ってきたのだろうか。いやいや、動物だって、乳酸菌だって酷暑に耐えているのだ、涼しいところを探しているのだ――などと思いながら、糠漬けのナスその他をさかなに晩酌を始めた。ずっと続けていたお湯割りを水割りに替えて。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

糠床が繊細な生き物と初めて知りました。この暑さ我が子のように面倒も大変なんですね! 大根 キュウリ 茄子 蕪の漬物食べたくなりました。(日本人は発酵食品大好き民族です)

「カミサマトンボ」の呼び名も初めて知りました。子供時分からセグロトンボとして知ってたので驚きです。

このトンボ、水がきれいな川に住むことから水質の指標になっていると覚えていました。

昔はよく見かけたけど、今は町を離れた川でしか見つけられない。昔は良かったとなるのでしょうか?