2013年8月21日水曜日

土砂降り

車の屋根を雨がたたく。傘を持たない若者が歩道を走っていく。どこかで雨宿りをすればいいのに――そう思うのは、ぬれるのを厭(いと)う年寄りになったから。つまりは老爺(や)心。10代のときはびしょぬれでも平気だった。晴れた日に、雨に備えて傘を持って出かけるような野暮天、いや周到さに欠けるのが、少年の特性だ。

雨なし猛暑が続いて、いい加減おしめりがほしいところだった。きのう(8月20日)は予報通り、午後に強い雨がきた。その激しさにカンボジアの雨=写真=を思い出した。

昨年9月中旬、同級生とベトナム・カンボジアを旅した。カンボジアでは一日に何度も雨に降られた。雨雲が去ったと思うと、また現れる。雨に見舞われる。やむとまた、ほどなく雨になる。雨季の真っただ中、「気圏の底」がたちまち「雨の底」にかわった。

よりによって夏井川流灯花火大会が行われる日だ。関係者は直前になって降り出した大雨にやきもきしたことだろう。会場の道路が通行止めになる前に雨は上がった。考えようによっては暑熱を払ってくれるシャワーの役目を果たしたか。

帰宅してしばらくすると、花火の音がとどろくようになった。8時過ぎがそのピークだった。音がやむと、庭からエンマコオロギの鳴き声が聞こえた。いわきの夏祭りはこの流灯花火大会で終わる。

今朝は起きると雨だった。いわきは雲の多い一日になりそうだと、テレビが言っている。流灯とともに夏が去り、急に秋がしのびよってきたようだ。

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