2013年8月26日月曜日

アンズタケ

2009年に仲間と北欧を旅行した。鵜の目鷹の目でいくと決めていたので、キノコや鳥も写真におさめた。

コペンハーゲン(デンマーク)では、果物屋の店頭でアンズタケが売られていた=写真。ボス(ノルウェー)でも、コンビニにアンズタケがあった。ストックホルム(スウェーデン)のレストランでは、魚とカンタレッラ(アンズタケ)のグラタンのようなものを食べた。9月下旬。北欧では一斉にアンズタケが食されることを知る。

それから4年。事故を起こした福島第一原発のことが頭から離れなくなった。27年前のチェルノブイリ原発事故にも再び関心をもつようになった。

再び――とはこういう理由による。東日本大震災で本箱が倒れたり、本がなだれ落ちたりした。ダンシャリをするなかでチェルノブイリ関連の本がいっぱい出てきた。事故後、夢中になって読んだことをすっかり忘れていた。そんな調子だから、北欧旅行の際もチェルノブイリのことは頭になかった。

お盆に、知人に誘われてドイツ在住の日本人作家と会食した。欧州のキノコの話になった。今もチェルノブイリの影響が続いているという。

あとでネットで調べたら、ドイツ(特に南部)では①野生キノコが汚染されている②汚染度は種類・場所によって大きく異なる③子どもと妊婦には野生キノコの摂取は勧められない――ということがわかった。イノシシの肉も数値が高いので、食べないよう勧告がなされている。

アンズタケは菌根性のキノコだから、セシウムを吸収しやすい。店頭には当然、検査してOKの出たものが並んだのだろう。そんな背景があることを、4年たって知る羽目になるとは。


忘れようと忘れまいと、放射性物質はこれからも存在し続ける。事故から2年半。福島の、日本の24年後が、今のチェルノブイリであり、欧州なのだということに思いが至る。

0 件のコメント: