2013年11月12日火曜日

国道118号

国道118号は起点が水戸市、終点が会津若松市だ。福島県南の矢祭町や棚倉町、石川町などを北上し、須賀川市から西へ向かって奥羽山脈を越えると、会津若松市の南方・下郷町に出る。

11月9~10日の会津・芦ノ牧温泉でのミニ同級会では、いわき組は初日:いわき~磐越道~国道118号~芦ノ牧温泉、2日目:大内宿~国道118号(下郷町=写真・岩瀬郡天栄村・須賀川市)~同49号~いわきと、行きと帰りで違うルートを利用した。

ふだん自分でそうしているように、「違う道を帰ろう」などとハンドルを握る同級生に言うわけにはいかないが、今回は国道118号を利用して郡山市へ帰る同級生がいた。それに引っ張られるようにして、天栄村・須賀川市と未知の山越え道路を通ることができた。

南会津は山が深い。須賀川へ抜ける道路沿いの山も深い。渓流から一気にせり上がっている。V字谷である。しかし、片側の斜面がなだらかなところもある。氷河でえぐられたノルウェーの山里に似る。派手な色の別荘が立ち並べばおとぎの国――目が喜ぶと思った。

名前がユニークな「蝉トンネル」を抜けると、間もなく天栄村の岩瀬湯本温泉の看板が見えた。「湯本」の名がつく温泉は岩手、福島(いわき、岩瀬)、栃木(那須)、神奈川(箱根)、山口(長門)の6カ所だろうか。いわき湯本温泉にからめて一度調べたことを思い出す。

某政党機関紙の日曜版に、天栄村を舞台にした田舎暮らしの漫画「今日もいい天気」が載った。作者は山本おさむさん。面白かった。その続編が去年、同じ日曜版に連載された。自身の原発事故体験と村の稲作農家の取り組みをつづっていた。毎回、待ちわびるようにして読んだ。

新聞やネットで知ったが、各地で上映されている長編ドキュメンタリー映画「天に栄える村」も、同じ稲作農家の取り組みを追った作品だ。

浜通りの双葉郡にある原発を起点にすると、東の阿武隈高地が放射能雲に対して最初の壁になり、西の奥羽山脈が2番目の壁になる。その壁がどう影響したかはもちろん、地形や風向き、雨雪の有無によって異なる。車の助手席に体を沈め、国道118号沿いに広がる村の風景を眺めながら、阿武隈高地の西側にあるわがふるさと(田村市常葉町)の僥倖を思った。

けさ(11月12日)、福島県内道路のライブカメラをのぞくと、国道118号・天栄村鳳坂峠は路肩が雪で白くなっていた。フエイスブックによると、田村市でも11日夜には初雪が舞った。会津も初雪。山の向こうのそのまた向こうでは、紅葉から銀世界へと風景が変わりつつあるようだ。

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