2013年11月15日金曜日

寒波到来

なんとなく予感がした。きのう(11月14日)午後、街からの帰りに夏井川の堤防を利用した。いるわ、いるわ! ハクチョウ=写真=がざっと100羽、新川との合流点で羽を休めていた。

夏井川は阿武隈高地の主峰、大滝根山の南面が源流だ。石灰岩地帯からしみ出た水は南東へ67キロ下って太平洋に注ぐ。その下流域、いわき市にはハクチョウの越冬地が3カ所ある。上流から小川・三島、平・中平窪、平・塩~中神谷で、真ん中の中平窪が越冬地としては最も古い。

ここ何日か、朝8時前後になると、わが家の上を、つまり中神谷の里を「コー、コー」と鳴きながら、ハクチョウが通過していく。かなりの数が本拠地・中平窪に飛来した証拠だ。

とはいえ、日中、夏井川の堤防を通ると1羽もいない。河口、あるいは四倉の仁井田浦へ向かったのか、灯台に近い南の滑津川を目指したのか――過去に羽を休めていたところを思い浮かべるが、確かめるためだけに車を飛ばすほどヒマでもない。

この秋、塩~中神谷の夏井川にハクチョウが飛来したのは、10月10日だった。飛来初期のハクチョウは落ち着かない。以後、姿の見えない日が続いた。初飛来から1カ月後、今週に入ってすぐ会津と中通りに初雪が舞った。寒波が到来した。ハクチョウたちが一気に飛来した。

この冬初めてのマガモ、この冬初めてのツグミ、この冬初めての……。鳥見人(トリミニスト)には楽しみ多い季節になった。

同じ冬鳥、ジョウビタキの雄の「ヒッ、ヒッ」は、11月2日、旧警戒区域の双葉郡富岡町の内陸部、主要地方道いわき・浪江線(山麓線)そばの農家の庭で聞いた。頭上には留鳥のオオタカと思われる猛禽が舞っていた。人の気配が消えた双葉郡ではネズミが繁殖しているという。それを狙っていたのだろうか。

ともあれ、ハクチョウが大挙飛来したことは、白菜を漬ける季節になったということでもある。そろそろ糠床を眠らせよう。

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