2013年11月18日月曜日

パトカー集結

夏井川渓谷の名勝・籠場の滝の少し上流、道端に駐車帯のある県道小野四倉線にパトカーが集結していた=写真。警官が上流側の車をUターンさせている。その先で“なにか”があったのだ。

捕り物がらみの交通事故にちがいない。その車が当事者だとしたら、起こすべくして起こしたのだ。

紅葉目当ての行楽客でにぎわう渓谷を、1台の軽乗用車が猛スピードで駆けぬけて行った。「なんだ、今のは?」。行楽客が車の去った方を見ていると、すぐサイレンが聞こえてきた。「道を開けてください、道を開けてください」。緊迫したおまわりさんの声が拡声器から響く。パトカーもまた猛スピードで通り過ぎて行った。

きのう(11月17日)、午前11時20分すぎのこと。カエデの紅葉を写真に収めて、わが隠居(無量庵)へ戻る途中に遭遇した“追跡劇”だ。

それからおよそ30分後、下流の集落にある知人のアトリエへ車で出かけると、籠場の滝の手前で、冒頭に書いた通行止めによる渋滞に巻き込まれた。

その先に事故現場があるとしたら、それは籠場の滝の先、ヤマベ沢の橋だ。対面通行のできる道路はそこで、砂時計のくびれのように急に狭くなる。行楽客の車がやって来る。パトカーもはさみうちにしようと待っている。走り抜けられるわけがない。

あまりの車の多さに、いつまでも通行止めにはしておけない。そう判断したのだろう。すぐ片側通行になった。案の定、ヤマベ沢の橋の手前に左前部が壊れた緑色の軽乗用車が止まっていた。橋を越えたところにも1台、前部の壊れた乗用車があった。橋が交通事故の現場だったのだろう。

けさの福島民報で、車を運転していたのは49歳の自称除染作業員と知る。「刃物で脅し車奪う/自称除染作業員 銃刀法違反容疑で逮捕/船引」。かなり荒っぽい行動を取った。見出しからはしかし、夏井川渓谷で逮捕されたことはわからない。

報道によると、男は最初、双葉郡葛尾村で千葉県ナンバーの車を運転し、警戒中の警察車両を見て高速で方向転換をした。不審に思った警察が付近一帯を捜索していたところ、田村市船引町内の国道を猛スピードで走行中、水田に突っ込んだ。このあと、72歳の女性の軽乗用車を刃物で脅して奪い、いわき市の夏井川渓谷まで逃走して事故を起こし、御用になった。

渓谷の空に県警ヘリが舞う、阿武隈高地を舞台にした“大捕り物劇”だった。さいわい人的被害はなかったようだ。続報が待たれる。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

除染作業員と聞くと偏見でも差別でもないが、どうも悪いイメージがつく

余所から仕事に集まってきた人ということからなのか地元でやりたい放題悪さをして去っていく感じがする

太く短くよその他人はどうでもいいという輩も目にしたが・・・

すぐに仕事につけて不安定とはいえ高賃金で暑さ寒ささえ我慢すれば収入にはなる
仕事がない地域に比べればぜいたくは言えないが恵まれた環境かと思うのだが・・・

仕事で食って行けなくなったら身を粉にして働くならば仕事は選べず働くしかないないだろう

1人のためにみんながそんなイメージをもたれてはたまらない

匿名 さんのコメント...

そういえば、村の炭焼き小屋から炭を盗んだ男は村に住むことができなくなり村から追い出された

男は知らない町で暮らすことになった

誰もその男に無関心な町で男は悪事を働く

狭い社会から広い社会で人は解放されるのかもしれないし弱さからルールを逸脱してしまうのかもしれない

よそ者をやや蔑視しがちなのは日本の狭さ、島国の持つ他を寄せ付けない差別観かもしれない

匿名 さんのコメント...

除染が始まって、余所から地元から職につき地域が経済が成り立っていくのは、常磐炭鉱で石炭産業が地域をうるおしていた構図に似ている

「成長のエネルギー産業」と「負の廃炉産業」の対極と言えなくもない

磐城はそんな関東のしりぬぐいを世紀をまたいでもなお負わされているのか?

楢葉沖で、風力発電の実証実験が始まった

商社は発電機製造元に設置の大型クレーンを1基10億円で追加発注していた(テレビ特集で見た)製造元は桁が1つ違うがいいですかと軽く10億円が動く格好だ

なければ期限まで設置できないかもしれないが、その原資は研究開発名目の税金拠出だろう? たったの10億円で地元の復興住宅供給に目処がつくのではないか?

たかが10億円、されど目先を生きる人にはもったいない金遣いに感じた