2013年11月19日火曜日

カエデ撮影スポット

紅葉の大トリはカエデ。夏井川渓谷のカエデが赤く染まってきた。渓谷のどまんなか、いわき市小川町上小川字牛小川地内の幹線道路(県道小野四倉線)は絶好の撮影スポットだ。11月17日の日曜日は朝9時前から、三脚をかついだアマチュアカメラマンでにぎわっていた。

カメラマンが吸い寄せられるカエデの木がある=写真。岩をかんで白く泡立つ眼下の渓流を背景に、紅葉したカエデを目の高さで撮影できる。いわきのアマチュア写真展で見かけるカエデの紅葉は、この木であることが少なくない。

震災から3回目の秋。ようやく渓谷に行楽客が戻ってきた。震災前は路上にびっしり駐車し、片側通行がやっとだった。そこまでは回復していないが、一昨年よりは昨年、昨年よりは今年と、人の群れが多くなりつつあることを実感する。

県道に並行してJR磐越東線が走る。アカヤシオが開花する春と、紅葉の燃える秋に列車の徐行運転が行われる。新聞で知ったのだが、11月9日には「サイクルトレイン」が実施された。いわき駅から田村市滝根町の神俣駅を目指して自転車で夏井川渓谷を駆け上がり、神俣駅から列車でいわき駅へ戻る、というきついイベントだ。

かねがねその逆、ヒルクライム(登り)ではなく、ダウンヒル(下り)なら団塊の世代も参加できる、そんな列車が運行できないものかと思っていただけに、次はぜひダウンヒルの企画を立ててもらいたいものだ。むろん、競技ではなく楽しみとして。

アマカメラマンにまじって、風を切って県道を駆け下ってきた若いサイクリニストが、カエデの写真を撮っていた。ダウンヒルだからこそできる“道草”だ。ヒルクライムでは、紅葉を撮影する余裕などないだろう。

そうしてカエデに集まる人たちを写真に収めたあとだった。軽乗用車とパトカーのカーチェイスが目の前で行われたのは。いや、田村市船引町から延々と続く逃走・追跡劇の最終場面に出くわしたのは。

きのうも書いたが、このカーチェイスを“追体験”してみる(ルートはあくまでも推測)――。

17日午前10時20分ごろ、福島民報では双葉郡葛尾村の路上で、福島民友新聞では田村市船引町上移地内で、警察車両を見て不審な行動を取った車があった。上移と葛尾は隣り合っている。要するに、わがふるさとの山々、鎌倉岳~殿上山~移ヶ岳の北麓を東西に走る県道浪江三春線の葛尾~上移あたりでカーチェイスが始まった。(10年に一度くらいはその道を通る)

高速Uターンをした乗用車が県道を西に疾走し、道なりに国道349号に出て南進する。やがて国道288号と交差するが、そのまま突っ切って南進し、磐越道の下をくぐるとすぐ、T字路になる。磐城街道だ。(そのあたりが、車が水田に突っ込んだ田村市船引町門沢)

運転していた男(49歳)は門沢の民家から軽乗用車を奪って磐城街道=国道349号を疾走し、田村郡小野町で(偶然だろうが)夏井川を下る県道に入りこんだ。そして午前11時20分過ぎ、行楽客でにぎわう夏井川渓谷の籠場の滝付近で接触事故を起こし、ついに御用となった。

わがふるさとの阿武隈高地で、反時計回りに1時間にわたって行われたカーチェイスだった。道々の風景、曲がりくねりなどを体が覚えている。人がはねられなくてほんとうによかったと思う。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

きれいな紅葉ですね! ポカポカ陽気でのんびり散策しながら紅葉狩してる人たちがうらやましいです