2013年11月20日水曜日

杜のアトリエ次友環

夏井川渓谷には小集落が点在しいている。下流から江田・椚平・牛小川、これは小川分。その先、川前地区にも点々と小集落が張りつく。いずれも県道小野四倉線とJR磐越東線沿いにある。

江田駅の近く、田畑をはさんで江田と隣り合う椚平に、知人夫妻が実家を利用して焼き物とガラス器の工房を構えた。「杜のアトリエ次友環」という。11月16~17日に教室生らとの展示会が屋内外で開かれた=写真

牛小川にあるわが隠居(無量庵)への途次、「展示会場」の看板を見たので、あとで出かけた。何年か前に一度、訪ねた記憶がある。ごく普通の農家の庭先がすっかり様変わりしていた。広い敷地内にお母さんが住んでいた母屋があり、窯場があり、陶芸とガラス工芸の教室がある。テーブルといすを配した庭園もある。

ふだんはひっそりした山里の、道路に面したごく普通の民家の奥の奥に、こうしたアートな空間が広がっているとは誰も思わないだろう。そのうえ、広い敷地内にいっときとはいえ、展観者があふれているとは。

マスメディアには連絡をしなかったという。V字谷のために駐車スペースがない。詰めかけたマイカーが路上駐車をすると近所に迷惑をかける。というわけで、案内状を出すだけにとどめた。隣組の人の土地を借りて、入り口に小さな臨時駐車場を設けた。それで正解だった。初日だけで300人もの人が詰めかけた。日曜日の分も含めると、かなりの数にのぼったのではないか。

陶芸やガラス工芸を楽しむ人たちの裾野の広がりを実感したが、それは夫妻の人柄による部分が大きいだろう。

それよりなにより、空き家と耕作放棄地が広がる山里に、こんな家の使い方、土地の使い方もありますよという、いい見本になっている。夫妻の生き方に触発されたかどうかはわからないが、隣家の人は渓流に面した地続きの斜面に「バラ園」をつくっている。

工房があり、バラ園があり……、なにか少しずつ山里に変化があらわれてきているのではないか。「自産自消」の農の営みは営みとして、それ以外にも山里の環境を生かした暮らし方、仕事の仕方がある。山里には無限の可能性がある。そんなことを知人の話を聴きながら思った。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

人生の楽園を彷彿とします

あの番組を見ていると癒されるというか穏やかに年をとって晩年幸せに暮らしたいと土曜の夕げを家族と一緒に見るとはなしに眺めています

いわきも今年の1月に応援スペシャルとして四倉だと思うが紹介されている

山里の暮らしぶりの変化の兆し、小さな挑戦から地域も変化が生まれるのでしょうか?

あたたかな気持ちになります