2014年1月23日木曜日

漬物の好み

 自家製の白菜漬けが切れたので、次の白菜漬けができるまでの“つなぎ”として、阿武隈の山里でつくられている白菜キムチ漬けと味噌漬け、たくあん漬けを買った=写真。キムチはいわき市、あとの二つは川内村産だ。
 
 食べ物は、人によって好みが違う。漬物の場合はよりはっきりしている。私は、キュウリなら浅漬けも、古漬けもかまわないが、それ以外は浅漬けを好む。カミサンは古漬けが好きだ。先日、遊びに来た若い仲間のA君、B君も古漬け派だ。

 白菜キムチ漬け。当然、ほどよく発酵して、ほんのり甘みのある浅漬けを私は好む。それを前提にして買う。スーパーではこの段階のキムチを売っている。それでさえ何日かたつと、うまみ・甘みよりも酸味が強くなる。そうなれば、ごま油をたらして酸味をあまり感じないようにして食べる。(あくまでも発酵食品としてのキムチの話であって、「キムチもどき食品」のことではない)

 つなぎで買ったキムチは酸味が強かった。舌がピリピリするほど乳酸菌の動きが活発だった。つまり、最初から古漬けだった。カミサンは平気だが、私は買って失敗したと思った。
 
 容器のふたのラベルには、製造年月日:平成26年1月16日、賞味期限:同1月31日、搬入日:1月18日とある。買ったのは1月19日だ。つくって4日目で古漬けになる、なんてことはありえない。私がつくる普通の白菜漬けでさえ、食べられるようになるのに5~6日はかかる。
 
 それからの類推・繰り言――この「製造年月日」は仕込んだ日ではなく、甕か樽・桶から取り出してパック詰めをした日だろう。としたら、「製造」から「出荷」まで、何日間かは漬物容器で寝ているわけだ。浅漬けを食べたい人間にはこちらの期間が気になる。仕込んだ日を正確に「製造年月日」とするか、漬かり具合を「浅」とか「古」とかの略語でわかるようにするか、してくれないとなぁ。古漬けとわかれば買わなかった。
 
 直売所通いを続けている経験からいえば、生産・製造者の顔が見えるのは「信頼」につながる要素にはなっても、「満足」をもたらすものではない。要は品質。好みは人それぞれだから、それに合った情報を添えてくれることを切に願う。
 
 ご飯と一緒に川内のたくあん漬けと味噌漬けを食べている。やわらかい。製造者は同じ人だ。川内の自宅でつくったのか、避難先でつくったのか。その人の「今」をあれこれ想像しながら、阿武隈の山里の冬の暮らしに思いがおよぶ。これもまた特別の“おかず”だ。

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