2014年1月7日火曜日

初失敗

 玄関の松飾りは取りはずしたが、床の間には恵比寿・大黒の掛け軸と鏡もち、その他が飾られてある=写真。きょう(7日)は七草、「松の内」最後の日。いわき市内各地で早朝、「鳥小屋」のお焚き上げが行われたことだろう。

 鳥小屋は青竹を骨組みにして、シノダケやチガヤ、稲わらなどで囲った、正月だけの“アジト”。広さはざっと2間四方だろうか。7日早朝、火が放たれ、住民が持ち寄った正月飾りを燃やして無病息災・五穀豊穣を祈る。よその地域でいう「どんど焼き」だ。これでひとまず正月気分を払って日常に戻る。
 
 同じ現象・行為でも正月がくれば、「初――」「――始め(初め)」になる。初日の出、初売り、初もうで、初荷、書き初め、出初め式。仕事始めや初稽古もある。カメラマンなら初撮り、騎手なら初乗り、……。そうして年があらたまったことに感謝し、気分を一新する。
 
「初――」の例にならえば、その年最初の失敗は「初失敗」か。それが重なった。松の内の4日朝。台所から「ごはんですよ」と声がかかった。テーブルに陣取ると、「あら!」。炊飯器にスイッチが入っていなかった。笑ってごまかしながら「30分待って」という。

 同じ日。「カギがない、カギがない」と探し回っている。近所にカミサンのおじ(故人)の家がある。ときどき孫たちの遊び場になる。元日がそうだった。夫婦で孫を送り届けたあと、カミサンが後片付けをしてカギをかけた。そのカギがいつも置いてあるところにないのだという。

 午後、あるところへ夫婦で出かけた。カミサンがジャンパーを脱いで、若いスタッフと雑談を始めた。カギが消えた話になった。ピンときた。「このジャンパー、確かめたの?」。カミサンがポケットに手を入れるとカギが出てきた。本人は大笑いした。安心と同時に気恥ずかしさがわいてきたのだろう。

初失敗は伝染する。その日、私も日にちを勘違いしてあるところへ出かけてしまった。
 
 いよいよ半人前になってきた。二人いてやっとそれぞれが一人前。年の初めにあらためてそのことを自覚するのだった。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...


ヒヤリハット、ハインリッヒ(1つの大きな事故の陰に300の小さな失敗)の法則ですね!

思い違いや不注意、間違った認識、誤判断などなどから起こる失敗です。今年は1つでも起きないよう気を引き締めていこうと思います。

とはいえ人間だしエラーはつきものですが、プロ意識を持たなければ失敗したときは「叱られる」のも意識しなければならないと思っています。
今年もよろしくお願いします。