2014年2月12日水曜日

白いガレキ

 またまた雪の話で恐縮だが、8~9日にいわきに降った雪が解けない。幹線道路こそ除雪車が出て、車が往来できるようになった。車道の雪はしかし、消えたわけではない。歩道側に押しやられただけだ=写真

 いつもの春の雪なら、太陽が顔を出すとたちまち解けて路面があらわれる。ところが今回は大雪だったのと、晴れても低温のためになかなか雪のかたちが変わらない。日中、少し解けては夜に凍る。フェイスブックでなるほどと思ったのだが、歩道はいわき語で「たっぺ」、つまりアイスバーンになっているので、気が抜けない。不用意に進むとツルッといく。

 きのう(2月11日)は、午前と午後の2回、車を運転した。昼前、一日遅れで行政区の役員さんに回覧物を届けるため、近所の住宅地を巡った。日陰の細道に雪が残っていた。そのまま突っ切る自信はない。バックして次の家へ向かった。午後は街へ出かけた。旧国道と国道6号だから、センターラインを除いて車道に雪はない。しかし、歩道には延々と雪の垣根ができていた。

 旧国道も、国道6号もわが地域では東西に延びる。北側の歩道は太陽に暖められて雪のかたちが小さくなっていた。南側の歩道は家並みで日陰になっている。なかでも旧国道は、車道から押しだされた雪と、車の出し入れのためにかきだされた雪とで、歩道そのものがところどころだるまのように盛り上がっていた。

 どこかでこんな光景を見たことがあるような……。2011年3月11日からおよそ半月後、初めて大津波に襲われたいわきの沿岸部を車で通った。道の両側にはガレキが山となっていた。3・11からちょうど2年11カ月。そのことが意識のすみにあったせいかもしれない。白いガレキ――という言葉が不意に口からもれた。

 けさは曇天で風も冷たい。今にも雪が東から吹っかけてきそうな空模様だ。夏井川渓谷にある友人の家の周囲では、8~9日に積雪が50~70センチあったという。除染が済んでノッペラボウになったわが隠居(無量庵)の庭も、“雪野原”になっていることだろう。きょうの浜通りの予報は「山沿いでは昼前から夕方雪」。いわきの平地にいて、いわきの山里の雪の深さを思う。

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