2014年2月6日木曜日

堤防焼き

 わが生活圏の夏井川で日曜日(2月2日)、堤防焼きが行われた=写真。ところどころ枯れヨシなどが燃え残っていた。事前に関係する区長さんの話を聞いていたので、なぜそうなったのかは想像がついた。風がなかったのだ。

 1月下旬、夏井川下流左岸域で隣り合う神谷・草野両地区の区長さんが顔を合わせた。恒例の合同新年会で、初めて参加した。

「谷地(やち)焼き」という言葉を知った。谷地とは低湿地、つまりは河川敷の枯れ草焼きのことだ。草野地区ではそういう。上流の神谷地区は? 「谷地焼き」ともいうが、単純に「堤防焼き」といっているのだとか。小さいころは「谷地に遊びに行く」という言い方をしていたという。

 私は同じ神谷でも非農家地区(商店・住宅団地)に住むので、昔からのしきたりや伝統、行事にはうとい。堤防焼きに動員がかかることもない。「谷地」という言葉が生きていることに内心驚いた。
 
 谷地焼きは水害予防のために行われる。堤防を守ると同時に、大雨が降ったときの水の流れをスムーズにする。“焼き上がり”はしかし、風次第というところがあるらしい。無風だと火勢が弱くて燃え残りが多くなる。強風だと逆に飛び火をして火事になる。その中間、きれいに焼き尽くすような風がいいのだそうだ。
 
 草野地区では1月26日に実施した行政区がある。神谷地区は、塩と中神谷西区が2月2日、合同で実施した。草野の谷地焼きは風が味方をした。神谷の堤防焼きは、一部燃え残った。自然相手の作業は思いどおりにはいかない。

このとき、塩と中神谷の境の中州で羽を休めるハクチョウたちも、けむにまかれるのを嫌ってどこかへ避難したようだ。きのう(2月5日)の昼前、堤防を通ったら、ピーク時の4分の1(50羽程度)しかいなかった。もっとも、堤防焼き翌日は2羽しかいなかったから、復活しつつはあるようだが。

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