2014年3月1日土曜日

梅が減った?

 わが家から街(いわき市の中心市街地=いわき駅周辺)へ行くのに、いつもと違う道を通った。

 街へのルートは内陸側から、①小丘が迫る田んぼの中(市道)②家が連なる通り(国道6号)③夏井川の堤防――の3つ。田んぼの道は、街へは少し遠回りになるから、ふだんは使わない。カミサンが丘のそばにある小学校の授業参観に招かれ、同じ時間に私が街へ行く用事があったので、学校へ送りがてら田んぼの道を通った。
 
 小丘の切り通しの坂の手前に集落がある。道端の若い梅が満開だった。そうか、梅前線はもういわきに到着したのだ――人間の頭には先日降った大雪の残像があるが、自然は寒暖を繰り返しながら確実に春へと向かって進んでいる。
 
 街からの帰り、梅の花をチェックするために堤防の天端を利用した。数は少ないが、堤防沿いの家の庭に梅の木がある。その梅たちが、散歩をやめるまでは私のなかで春の目安になっていた。極寒の1月に花をつける梅の木もあった。
 
 その花が見当たらない。堤防から集落へ下りる道の角に、まばらに花をつけた梅が1本。集落内の家の庭に満開の梅が1本=写真。それだけだった。あそこに、ここに梅の木があったはずだが……。現実と記憶が一致しなくなっている。

 3・11後、いわきでは庭木の伐採が目立つようになった。切り株だらけになったスペースもある。それらを見るたびに木の悲鳴が聞こえてくるような感じになる。堤防沿いの梅の花が少なかったのは、そうして梅も切り倒されたためだろうか。

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